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T I/E AR ~ティアー~ Diary

T I/E AR ~ティアー~ Diary

体腔・呼吸器

P89~ 胸・腹・呼吸器

腹腔・腹膜 (胸腔・胸膜もほぼ同様)

・腹水症は非炎症性の滲出液
うっ血性:心疾患、門脈性(肝線維症、肝硬変)
リンパ循環障害
低タンパク性:腎疾患、悪液質、飢餓

・黄色脂肪症:不飽和脂肪酸を含む餌の過剰摂取。セロイド色素沈着。

・ 腹膜炎は猫(猫伝染性腹膜炎),豚(グレーサー病),犬(伝染性肝炎)で見られる。

解説16 猫伝染性腹膜炎(FIP)
FIPはコロナウイルス科に属するFIPウイルスによる比較的慢性進行性の全身病()で、滲出型(古典的)と非滲出型(実質型)があるが前者の方が発生が多い。キャリア猫または発病猫から排泄された唾液・鼻汁・糞便・尿などが感染源となる。
症状は両型とも高熱・好中球増多症・高γグロブリン血症などを示す。滲出型では液性免疫が関与し、黄色ないし黄褐色半透明の線維素に富む腹水・胸水の貯留・各臓器表面に線維素沈着、好中球・マクロファージの浸潤が、非滲出型では細胞性免疫が関与し、胸水および腹水の欠如・肉芽腫様病変・眼球炎・脳・脊髄膜炎が特徴である。また、III型アレルギーによる血管炎では、好中球による細胞組織障害、血栓形成、糸球体腎炎、DICが形成される。


呼吸器
○ 咽頭・気管
・ 馬鼻肺炎:ウマヘルペス-1,4型感染。
     仔馬の上部気道炎(カタル性炎)、間質性肺炎。粘膜上皮に両染性~好酸性核内封入体形成。
 
・ 豚の封入体鼻炎では鼻腺上皮に好塩基性核内封入体を形成する。
   サイトメガロウィルスによる。

・ 豚の萎縮性鼻炎(AR)の診断には犬歯と第1臼歯の間を前額鋸断して観察する。
顕微鏡的病変は,鼻甲介粘膜の化生性変化と、骨の融解である。
 鼻甲介は萎縮している。
 ≪原因菌≫⇒Bordetella bronchiseptica  Pasteurella multocida  
  P.mの出す毒素(DNT:皮膚壊死毒素)により破骨細胞が活性化する
  2つの菌の混合感染により強く出る。
 ≪特徴的病変≫鼻甲介萎縮、鼻中隔彎曲
 ≪臨床所見≫鼻曲がり,萎縮、アイパッチ、肺炎、発育遅延

解説18 牛伝染性鼻気管炎(IBR)
牛ヘルペス1感染で、普通は不顕性。
鼻粘膜に炎症性充血、気管粘膜に水腫を形成し、感染初期では上皮に両染性~好酸性核内封入体が見られる。

解説19 クリプトコッカス感染症
 Cryptococcus neoformans 感染による真菌症。病原体は厚い莢膜を持つ酵母様真菌。不顕性感染鳥が媒介し、広い宿主域を持つ。ネコで感受性が高く、人にも感染する。頭部皮膚や鼻腔に化膿性肉芽腫を形成。


・気管虚脱:気管膜性部の弛緩と気管軟骨輪の背腹方向への扁平化を呈する。小型犬の老齢に多い。

解説20 猫ウイルス性鼻気管炎(FVR)
 猫ヘルペス科の猫鼻気管炎ウイルス感染による、猫の代表的な上部気道疾患。離乳直後の子猫に高感受性。呼吸器疾患一般を示し、膿性鼻汁の流出が特徴的。病理的には上部気道、眼瞼、口腔粘膜の滲出性炎~偽膜性炎。粘膜上皮細胞に両染性~好酸性核内封入体形成。

解説21 鶏の伝染性咽頭気管炎(ILT)
 ヘルペスウイルス科の伝染性咽頭気管炎ウイルスが原因。垂直感染はなく、幼若雛で高死亡率。異常呼吸音、鼻汁、結膜炎、開口呼吸、発咳など。咽頭・気管に滲出性炎。粘膜上皮の融合、好塩基性~両染性~好酸性核内封入体形成。


○ 肺
肺胞性肺炎  小葉性:カタル性、化膿性
       大葉性:線維素性
間質性肺炎:肺胞壁の炎症{リンパ球・形質細胞・MФ浸潤} 殆どウイルス性

・肺胞Mφ=塵埃細胞:肺胞上皮表面に存在する、貪食細胞。

・ 大葉性肺炎は、繊維素の肺胞内滲出が最大の特徴である。
その病期は、充血期⇒赤色肝変期⇒灰白色肝変期⇒吸収期と続く
 (繊維素の吸収や排出が不十分の時、肉芽組織が増殖侵入し器質化が起こり,これを肉変という。)

解説24 牛肺疫
Mycoplasma mycoides subsp. mycoides 感染。
大葉性または線維素性肺炎で、肉眼的には大理石様紋理となる。これは、病期の4期が同時に全て出現する事による。II型上皮の増生と胎仔化、ウイルス性封入体の形成。
解説26 犬ジステンパー
パラミクソウイルス科に属する犬ジステンパーウイルスに起因する犬の最も代表的な疾患の1つである。二峰性の発熱とともに呼吸器症状・消化器症状・神経症状・皮膚症状が見られる。ウイルスの主要標的組織はリンパ系組織と上皮組織であり、胸腺の萎縮も必発の所見である。自然例で観察される肺病変は間質性肺炎の像を呈する。組織学的にはリンパ組織の壊死および呼吸器・消化管・泌尿器の上皮細胞に好酸性の核内・細胞質内封入体を形成する。

・ 慢性うっ血では、肺水腫および出血に続発し、肺胞内にヘモジデリン色素を貪食したMФすなわち心臓病細胞が出現する。

* 線維素性肺炎
  代表例:牛肺疫、パスツレラ病

* 間質性肺炎
  代表例:犬ジステンバー、馬鼻肺炎、猫カリシウイルス病、麻疹ウイルス感染症
  炎症経過に従い肺胞壁は肥厚し、間質に漿液線維素が滲出する。
  白血球,マクロファージの浸潤、結合織の増生、肺胞上皮細胞の過形成が起こり、これの肺胞内への脱落も見える。

* 特異性(肉芽腫性)肺炎
  代表例:結核、鼻疽、アスペルギルス病

* その他の肺炎:異物の吸入、誤嚥による誤嚥性肺炎
        肺には多彩な上皮性腫瘍、すなわち扁平上皮癌、異型上皮癌、腺癌
        細気管支肺胞上皮癌、気管支腺癌などが原発する。

・ インフルエンザ
家禽ペストは、強毒型(H5,H7)による全身感染症。出血や変性壊死、非化膿性脳炎を示す。H5N1型は高死亡率を示す。

解説22 豚繁殖・呼吸器障害症候群(PRRS)
 PRRSウイルスは、豚のMφで増殖。母豚の繁殖障害(異常産)と若齢豚の呼吸器疾患を主徴とする。若齢豚は間質性肺炎、リンパ節炎、非化膿性脳炎、心筋炎などを呈するが、母豚での病的変化は乏しい。


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